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メッサーシュミット Uコン機 [修理]

先週依頼があり修理した機体です。
010924.jpg
両翼端がちぎれ、左の水平尾翼ももげかかっていました。
エンジンは固着しプロペラが回りません。
良く見てみると、作られてから30年は経っていそうです。
修理方針は、
可動スペックが犠牲になっても年季の入った風合いを残すようにすること。

まず全体を軽く清掃し現状確認、保存状態は比較的良かったようで
ちぎれた主翼の断面に現れているバルサの酸化もほとんど認められず
接着可能な状態のようです。
分解可能な範囲でばらしてみると、自作機のようです。
胴体内側には寸法線が残り、エンジンカウルはアルミ缶からの叩き出し。
スケールの図面から製作された機体のようでした。
主翼の激しく潰れた部分を最小限で削除し、ちぎれた部分を接着
欠損した部分にはバルサの小片を埋め込み、
箇所によってはバルサパテを塗り整形し塗装しました。
経年変化で塗装も退色しているようで、
タッチアップにドイツ空軍機色を使っても色が合いません。
暗色を加えてみたり、灰色を加えてみたり、調色してみましたが
なかなか難しく色は合いません。
試行錯誤してもっとも近い色で塗装。
塗ったままではそこだけ浮いてしまうので、
近似的な色を複数周辺に塗って紙やすりをかけて荒し、
最後に半ツヤのトップコートを吹いてトーンを合わせました。
bf109_wingtip.jpg
アップの写真ではまるわかりです。
bf109_r1.jpg
それでも、遠めに見ればまあまあでしょう。
水平尾翼を胴体に接合、
エレベーターのヒンジは昔懐かしいリボンのクロス(×)がけで
リボンでヒンジを作り直すと、塗装も一緒に剥がすことになるので
はがした部分の色が変わってしまいます。
かといって、ベニヤ一枚板の尾翼なので、ナイロンヒンジなども使えません。
尾翼の端面にピラニアソーで切り込みを入れ細く切ったムサシノヒンジを仕込みました。
リンケージロッドの露出部分の錆びを軽く落とし
クレビスとホーンを接続しなおし、リンケージも再生しました。
胴体内部のベルクランクはたぶん石政のプラスチック製、
やはり作られたのはかなり昔のようです。
固着したエンジンは、古いエンヤの09でした。
Uコン用のエンジンでマフラーが左だしのタイプです。
ですが、マフラーはありませんでした。
エキゾーストから覗くと、燃焼残渣が固着している以外は問題なさそうです。
一度マウントから外して、エンジン内外をウォッシングして
固着した成分を洗い流してクランクシャフトが滑らかに回るようにし、
さび付いたOSプラグをエンヤ純正プラグに交換
燃料チューブも硬くなっていましたが、外観の風合いのためにそのままにしました。
再びプロペラを取り付け、指でプロペラを叩いてやると
いい感じのコンプレッションでポコポコとプロペラが回ります。
燃料チューブを交換してマフラーをつければ、また始動できそうです。


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